犬の起源はヨーロッパ。オオカミが家畜化したもの。DNA鑑定により確認(フィンランド研究)

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 犬の祖先はオオカミであるとする説が最も有力だ。人間がオオカミを家畜化し、人間の好む性質を持つ個体を人為的選択することで、イヌという動物が成立したと考えられているが、イヌが具体的にどの地域で、どの亜種から分岐したものであるかについては様々な説がとなえられていた。

 今回、フィンランド、トゥルク大学の研究者であるオラフ・テールマンは、犬とオオカミのDNA鑑定により、犬と人間が親しい関係になったのは、32000年から19000年前のヨーロッパ(欧州)で、オオカミが狩猟採集生活をしていた人になついたのが始まりとする研究結果を報告した。
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  最近まで、犬は約1万5千年以上前に、東アジアで家畜化されたという説が有力だった。2002年に行われた研究で、ユーラシアの38匹のオオカミと、アジア、ヨーロッパ、アフリカおよびアラスカから集められた654匹のイヌから採取したミトコンドリアDNAを調査したところ、南西アジアやヨーロッパのイヌに比べて、東アジアのイヌには、より大きな遺伝的多様性が見られ、それらがより古い起源をもつことが示唆されたからだ。

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  テールマン率いる研究チームは、アルゼンチン、ベルギー、ドイツ、ロシア、スイス、米国で発見された36,000年以降の古代オオカミと犬のような生き物の化石18種からDNAを集めた。それをもとに、現在生存している、北米、アジア、ヨーロッパ、中東から集められた49匹のオオカミ、コッカースパニエル、バセンジーやゴールデンレトリバーなど、多種多様な品種の犬77匹、そして4匹のコヨーテから集めたDNAを比較した。

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 その結果、現在の犬の遺伝子と最も近かったのは、欧州で発見された犬の化石や現在の欧州のオオカミで、欧州以外のオオカミとは類似していないことが分かった。

 食べ残しを求めて集落に近付いたハイイロオオカミが人になつき、護衛や狩猟のパートナーという役割を通じて、親しい友人となっていったという、オオカミの家畜化説に関してはこれまでの研究と一致している。

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 研究を率いたテールマン氏は、「犬の起源に関しては、まだ断定できないまでも、ヨーロッパがオオカミの家畜化に大きな役割を果たしたのはほぼ確実だ」と説明しており、そしてそれは人間が農耕社会をつくる以前に家畜化されていた可能性が高まったという。

via:foxnews

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 ハイイロオオカミ:ハイイロオオカミはイヌ科の中で最大の大きさで、地上の哺乳類では人間の次に広い分布に生息していたと言われている。また、ハイイロオオカミは飼い犬に似ており、手足の中央の指が長くなっている。首にはタテガミがあり体の毛は比較的長く、顔と四肢の毛は短いのが特徴。冬になると背中の毛の長さは通常の倍の長さになる。尾はまっすぐ伸び、ふさふさしていて先端が黒くなっている。毛色は住む場所で変化し、寒い地域に生息するものは全身白く、砂漠に生息するものは明るい毛をしていて、森林に住むものは暗い色をしている。