犬と人間は脳のメカニズムが良く似ている。犬が人間の感情を理解している理由が科学的に解明される(ハンガリー研究)

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 たいていの犬の飼い主ならわかると思うが、犬は言われたことの感情的なニュアンスまでちゃんと把握しているように見える。そしてこれは本当だった。最新の脳スキャニング研究から、このことが科学的に正しいことがわかった。犬は人間に飼い慣らされる以前から、すでにこうした能力をもっていたのだ。

 犬の脳をMRIスキャナーにかけて研究するのは初めてではない。去年、神経経済学者のグレゴリー・バーンズは犬の脳の尾状核(側脳室の灰白質)を分析した。ここは人間にも犬にもある脳の重要な部位で、食べ物や愛情など、楽しいことを予見・期待する能力と関係している。この分析によって、犬は人間の子供と同じくらいの意識をもっているとバーンズは結論づけた。

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 ほかの研究でも、犬の精神の感性の豊かさが証明されている。尻尾を右へ振ったら嬉しいとき、左ならストレスや不安の表れという具合に、自分の感情を表すことができる。他の犬の尾の動きに感情的に答えることもできる。だから、人間も犬が嬉しくて吠えているのか、悲しくて吠えているのかを見分けることができる。

 犬が人間の言葉を理解できることはわかっていたが、なにかを言われたとき、その裏にある感情的なニュアンスを理解できているのかどうかははっきりしなかった。ハンガリー、ブダペストにあるエトヴェシュ・ロランド大学のアッティラ・アンディクス研究主任が行った実験がまさにその疑問の答えを探し出した。

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 新たな実験は、人間と非霊長類との神経学分析を比較した。12セッションという広範囲の訓練と、陽性強化(好ましい行動を褒めて、同じ行動繰り返させる教育訓練法)を受けた11匹の犬が実験の準備を整えた。

 犬は8分間たっぷりとじっと伏せをしているよう訓練されていて、その後にヘッドフォンをつけて、くぐもった音や犬がクーンと鼻を鳴ら音をはじめ、200もの違った音を聞かせる。車の音やホイッスル、言葉以外に人間がたてる音、犬の発声(吠え声やうなり声)などの環境騒音も含まれる。同様に、22人の人間もこれとまったく同じ音を聞き、そのときの脳を分析した。

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 このスキャン分析の結果、犬も人間も人間の声を聞いたときに、側頭葉の一番前の部分、側頭極が著しく反応することがわかった。この部位は以前は人間に固有のものと考えられていたが、耳に入ってくる音を処理して、情動反応を引き起こす場所だ。人間の場合、声を聞いたときに、この部分が活発になるが、犬にも同じ反応が起きるようだ。霊長類以外で初めて観察された。

 同時に泣いたり笑ったりなどの、人間がたてる感情的な音は、犬でも人間でも一次聴覚皮質近くの部位を刺激する。クーンとぐずったり、怒って吠えたりする感情的な犬の発声もやはり同じような反応を引き起こした。

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 こうした研究結果から、犬は飼い主の感情に共感し、呼応することができるということがわかった。とは言っても、犬は人間より犬の発する音に強く反応したし、関係のない周りの音にも、より注意を向けた。

 実際、犬の聴覚皮質全体の約半分がこうした音に反応し、人間の3%に比べるとかなり多い。この結果から、犬のほうが人間のたてる音を処理する配線が少ないか、人間のほうが周辺の聴覚情報を選択して、人間の発声をより処理しやすい傾向があるかのどちらかか、あるいは両方なのではないかといえる。

 また、人間はこうした騒音には慣れていて、犬ほどこれらの音に興奮したり、神経質になったりはしないという事実もあるが、それでも犬と人間の脳のメカニズムは無視できないほどに似ているということは判明したようだ。

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via:io9・原文翻訳:konohazuku

 人間でも人の感情を読み取るのがうまいひとやそうでもない人がいるが、犬も犬なりに、感情というものを読み取ろうとしているということだね。人間界では誰も自分を理解してくれないなどと嘆射ている人の場合には、犬にその望みを託すのも可能なわけだ。というかまあ、誰もわかってくれないなどとぼやく前に、まずは自分が他者を理解できるよう努めることが先なんだけどもね。